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現時点までにわかっている今回の調査結果






その他の動画
   



各種鳥類の分布状況

 ここまでに得られた現地調査およびアンケート調査の結果を使って以下のような分布図を作成しています。これまでのような。面的な分布図だけでなく,垂直分布も示しています。調査登録者の方には,全種の分布図が見られるURLをお知らせしています。


分布状況の変化

 ここまでに得られた現地調査の結果と,1997-2002年に行なわれた現地調査の結果を比べ,「1990年代に記録されたけど今回は記録できなかったコース」「前回も今回も記録されたコース」「今回新たに記録されたコース」に分けて集計してみました。その結果からは,外来鳥および大型魚食性の鳥の分布拡大が続いており,小型の魚食性の鳥の減少も続いていそうだということがわかりました。また,減少してレッドリストに掲載されるまでになった夏鳥や森林性の鳥たちが,復活傾向にあることもみえてきています。森林性の鳥の多くが分布を拡大している反面,ビンズイやメボソムシクイなど標高の高いところの森林性の鳥は縮小傾向にあることも見えてきています。 さらに情報を集積して,こうした傾向とその原因についても考えていきたいと思っています。

現地調査のデータに基づく,分布の増減の上位10種
減少 増加
種名 1990年代 2010年代  変化率   種名 1990年代 2010年代  変化率
コアジサシ 59 15 -75 ガビチョウ 15 211 1307
アマサギ 117 38 -68 ソウシチョウ 48 200 317
コサギ 239 93 -61 カワウ 104 306 194
ゴイサギ 236 93 -61 キバシリ 32 94 194
ハイタカ 48 19 -60 サンショウクイ 190 478 152
ササゴイ 45 20 -56 サンコウチョウ 19 43 126
バン 87 42 -52 ヨタカ 38 78 105
ハリオアマツバメ 76 23 -50 ヤマゲラ 204 411 102
オナガ 68 35 -49 アオバト 410 799 95
アマツバメ 145 84 -42 アカショウビン 171 312 83


分布変化の顕著な種

・ガビチョウ
 1990年代は北東北,関東,九州の3地域に分布していたのが,分布を大きく広げているのがわかりました。とくに低標高の場所への分布拡大が顕著でした。




・サンショウクイ
 1970年代から1990年代にかけて,特に太平洋側で激減し,レッドリストにまで選定されたサンショウクイですが,その後,回復していることがわかりました。
 特に減少の著しかった西日本太平洋側には,リュウキュウサンショウクイが北上して定着したことも見えてきています。



過去2回の調査でわかってきた日本の鳥の現状

 1974-1978年と1997-2002年に行なわれた調査により,日本の鳥の変化が見えてきています。そして,減少している鳥がレッドリストに指定されたりして保護が進められています。これらの情報は,以下に公開されています。


報告書

環境省生物多様性センター(2004)種の多様性調査 鳥類繁殖分布調査報告書
各種鳥類の分布図を見ることができます

詳細な解析の結果

○減少している鳥の特性(バードリサーチNews紹介記事)
 結局のところ、減ってるのはどんな鳥?【天野達也】  元の論文 
○成熟林の鳥より若齢林の鳥の方が減っている(バードリサーチNews紹介記事)
 土地利用の変化は日本の鳥類の分布を左右するか?【山浦悠一】  元の論文
○人の土地利用の歴史が鳥の分布に影響している?(バードリサーチNews紹介記事)
 気候と地形だけじゃない!土地利用が広域的な生物多様性を決定する【山浦悠一】  元の論文


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